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Visse's Blog エッセイの最近のブログ記事

断尾は必要?

130413_01.jpg今朝、いつも散歩に行く臨海公園で会ったコーギーです。
本来であれば、こんな立派な尻尾がついています。      


動物愛護精神の強い欧米では、ここ10数年の間に断尾・断耳を禁止する法律が北欧を中心に広がり、現在では多くの国々がこの法律を採用しています。

 

日本にも「動物の愛護及び管理に関する法律」、いわゆる「動管法」というものがあり、この中に基本原則として、

 

「第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」と書かれてあります。

 

この文面を見る限り、断耳や断尾などの行為は、十分この法律に反するものではないかと思います。いつの日か日本でも断耳や断尾がはっきりと法律で禁止されることを願わずにはいられません。

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コントロールポジション

 

130305_01.jpgお行儀よく座って飼い主さんを見上げている、ちくわちゃん。6ヶ月になるチワワです。とくにスワレと指示を出している訳ではなく、彼女自身が自発的に座っているのです。

 

よく見ると、足でリードを踏んでいるのがわかると思います。これを「コントロールポジション」と呼んでいます。やり方はいたって簡単、首から30センチくらいの所を足で踏むだけです。これが習慣になるとリードを踏むだけで、犬は自発的に座るか伏せるかして、とてもお行儀よくなります。

 

13年犬の仕事をやっていますが、こんなに簡単で便利なことがなかなか広まっていきません。ヴィッセに犬の相談に来られると、皆さん椅子に座るなり必ず「スワレ、待て」と指示を出します。ところが、その数秒後に犬はもう立ってしまっています。

 

指示を出されても犬が勝手に動いて良いのであれば、その指示はほとんど意味がないと思うのですが・・・。なので、いちいち指示をしなくても犬が勝手に座るようになる、この「コントロールポジション」が、ヴィッセのしつけの基本になっています。

ちなみに「待て」には種類があって、

①一時待機の待て ②休止の待て ③緊急の待て の3種類があります。

 

大抵の飼い主の方が教えているのは、①の一時待機の待てです。というか、②と③を知っている方はほとんどいないと思います。

 

②は、伏せた状態で、リラックスして長い時間落ち着いて待つことができる「待て」です。

③は、お散歩で万が一、リードや首輪が外れた時に動きを一瞬で止めることができる「待て」です。ヴィッセではこの待てを一番重要に考えています。なぜなら、命を救えるからです。

 

ちなみにヴィッセでは「ご飯の待て」は絶対に教えません。もし生徒さんでやっている方がいたら、必ずやめてもらっています。理由は、犬が庭で鎖につながれ、家畜として飼われていた昭和のしつけの名残りで何の意味もないからです。

 

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アニマルコミュニケーションのお話。

今日は、僕が講師を行っているアニマルコミュニケーションカレッジで、スタッフをしている近藤さんの愛犬「りく」くん(11ヶ月、ポメラニアン)のお話をご紹介します。とても不思議な話ですよ!?。

今月(2013年2月)の頭に、アニマルコミュニケーターの師匠である高江洲先生に「りくをもっと男らしく育てなさい」とのご指導をいただいたため(※理由はひとまず割愛します)、それからは男性的な面を見て褒めたりし始めました。
 
すると、家の中でマーキングするようになってしまったのです!?ママ(僕のパートナー)がいくら厳しく注意しても収まりません。先生に報告&相談したところ、「飼い主にとっては大変だろうけど、今はそれで良い。"りくの男らしさは充分に分かっているよ"ということを伝えるように」とのアドバイスをいただき、それを実践。
 
しかし、なかなか収まりません。ちょっとでも目を離すとマーキング。ママの物はもちろん、まさかの、僕の腕にまでしてしまいました...。あきれ、りくとの接触を減らしていくママ。このままでは、いけない。こういう時こそ、アニマルコミュニケーターとして解決しなければならない。
 
他人の子とコミュニケーションを取る前に、まずは自分の子と分かり合っていくことが大切。でも、いくら言葉で伝えても収まらない。頻発する室内マーキング。トイレのしつけの時のように、ちゃんとトイレで出来た時にご褒美(お菓子など)をあげるようにしても、駄目。
 
僕は何日も悩みました。しかし、ある日、僕の中の純粋な僕(=インナーチャイルド)が言いました。「言葉で伝えるだけが、コミュニケーションじゃないんじゃないの?ほら、文字とかさ」。その時、気づいたのです。人間同士であっても、メールや手紙などが交流の重要なツールであること。
 
そもそも僕自身、文字でのやり取りが好きなこと。僕自身、よくTo Doや注意事項を忘れ、パートナーに叱られ、家の中に貼り紙をしたりして自分を戒めたこと。そして、りくの性格や性質が、極めて僕に似ていること(笑)。
 
『りくの男らしさ、カッコ良さは、パパもママも充分に分かっているよ。だから、家の中でマーキングなんかする必要はないんだ。ここは間違いなく君の家であり、君の縄張りだよ。』そのようなメッセージとエネルギーを込めて、僕は黒マジックで紙に文字を書きました。
 
しかし、動物さんへのメッセージは言葉でも何でも、出来るだけシンプルに分かりやすくすることがポイントです。上記のようなメッセージを込めて、ただ一言、分かりやすくストレートに「マーキングはダメです!!」と書き(笑)、サークル内に貼ったのです。【※添付画像参照】

「犬に対して何をしてるんだ、この人...。」ほとんどの人が、そう思うでしょうね(笑)。普通の人なら、頭がおかしいと思うはずです。当然、パートナー(りくのママ)にも言われましたよ。「犬は、文字を読めないよ?」と。極めて、正論です(笑)。

さて、貼り紙をした結果ですが、それ以降、一切マーキングをしなくなりました。室内でりくを放置後、今までマーキングをしていた各ポイントをチェックするも、問題なし。偶然のように"段々、収まった"とかですら無く、『貼り紙をした直後から、ピタッと収まった』のです。
 
知り合いのドッグトレーナーの方に報告したところ、「行動分析学的には、説明がつかない」とのことでした。常識や概念を覆すアプローチ。それが、「アニマルコミュニケーション」の世界なのです。
 
※今回の問題行動解決方法は、あくまでも「りくに合わせた」ものです。すべてのコンパニオンアニマルに通用するわけではありません。人間同様、その子その子にとって効果的なコミュニケーション手段があるので、ご留意ください。
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ただ今、お泊り中! アイコちゃん。2才 ラブラドール・レトリーバー

121226_01.jpg 年末年始にかけてお泊り中のアイコちゃん、2才です。アイコは、2ヶ月齢の時からレッスンを始めました。飼い主さんは中国の方ですが、僕のレッスンに対する考え方をとても気に入ってくれ、2年間もレッスンを受けてくれました。

僕が住んでいる中区は外国人の居住者が多く、これまでにもドイツ人の方や、アメリカ人、イギリス人の方のレッスンをしてきました。

これらの外国の方に共通していることは、全員1年以上レッスンを受けられたことです。彼らは犬のしつけを「教育」と捉えています。そして、その教...育には時間がかかるということを理解してくれているのです。

H.Pの検索エンジン対策上、「しつけ」という言葉を使用していますが、僕が犬に行っていることは、「教育」なのです。ちなみに、僕の師匠の盲導犬訓練士、多和田 悟さんは、「ドッグエデュケーション」と呼んでいます。

画像は、今朝のお散歩でボールで遊んでいる時のものです。僕は、犬の一生は毎日が夏休みだと思っています。毎日遊んで走って楽しく暮らせれば、問題行動なんか起きません。
短い犬の人生、その人生を光輝く人生にしてあげたいですね!

Visse お薦めの書籍 Vol.5 「働く犬たち」

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水難救助犬。放火捜査犬。シロアリ探知犬。てんかんの発作予知犬。ペット捜査犬。俳優犬。毒蛇駆除犬。癌予知犬。放火捜査犬。老人ホームのアシスタント犬。アワビの密輸監視犬。etc. 

 

 

他にも様々な仕事を手伝っていますが、ぜんぶ、犬の仕事です。この本を読んで、改めて犬の学習能力の高さに感動しました。犬だけに、嗅覚を利用した仕事が断然多いですね。 

 

 

最も、当の犬たちに仕事をしているという意識はありません。麻薬探知犬であれば、麻薬探しゲーム。災害救助犬であれば、人探しゲームを行っているというところでしょうか。 

 

 

この本に紹介されている犬たちの生き生きとした表情を見ると、犬は本当に人の役に立つことが、何よりの喜びなのだと思います。

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Visse お薦めの書籍 Vol.4 「グレイがまってるから」

111201_01.jpg初版は1996年で、今から10年前に読んだ本です。
ほのぼのとした文体と絵がとても好きです。

 

当時、訓練士の方による家庭犬のしつけが当たり前だった頃の
本なので、「脚側行進」「物品持来」などの訓練用語が出てきます。

 

そして、10年後、犬の訓練をまったくしなくなった代わりに、
飼い主の訓練に力を入れている僕ですが、
僕のしつけの原点がここにあるので、
たまに読み返しては、昔を懐かしんでいます。

 

紹介している本は、初版当時のもので今は装丁が変わっています。
最後は涙なしでは読めませんので、涙もろい方はご注意を!

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Visse お薦めの書籍 Vol.3 「Dr.高江州のアニマルコミュニケーション」

111126_01.jpg 獣医師として30年以上にわたる臨床経験の中で、動物たちへの深い愛情から彼らの心の声を理解するようになり、獣医という経験を活かした、他に類を見ない高江州先生のアニマルコミュニケーション能力は、多くの動物達の問題行動を癒し、人と動物たちの懸け橋となっています。

僕はこの本を読んで、犬達の動物の飼い主を信じる一途な想いと愛情が心に沁み、犬という動物が切なくてせつなくて仕方ありません。

そして、この本から学んだことは、「どんなに頑張っても、動物たちの飼い主に向けるひたむきな愛情には勝てない」ということです。

私達は、犬に自分の思いを一方的に伝えることはあっても、どれだけ犬の気持ちを理解しようとし、耳を傾けようとしているでしょうか?

~著者の本文より~

「話せばわかる。どんな動物も誠意をもって耳を傾け、そして思いを伝えるなら、必ず彼らはそれを理解する」 これが私の30年以上に渡るアニマルコミュニケーションの中で見出した最も大切な原則です。

人間側の動物に対する無理解、勝手な思い込み、暴力的な行為は、いたるところで見られます。しかし、彼らがどれほど飼い主を思っているのか、ぜひともわかってほしいと思っています。

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Visseお薦めの書籍 Vol.② 「動物の親は子をどう育てるか」

110711_01.jpg もう絶版になっている本ですが、単行本と文庫本があり、アマゾンで中古で購入できます。 

 

いまだに犬のしつけと言えば、「スワレ」や「マテ」などを教えることだと思われていますが、現在の家庭犬のしつけに抜けていることは、「どうしつけるか」ではなく、「どう育てるか」だと思います。

 

育てる過程において「しつけ」があるのです。その犬育てには、大体2年くらいかかります。そして、子供も犬も、親が育てたように育つのです。


大治郎お散歩三景 ②

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■本牧海釣り公園

ここから眺める海は最高です。天気が良いと海ほたるや、房総半島が一望できます。


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■本牧市民公園

毎朝のお散歩で行きます。公園内には、野球場とテニスコートがあり、いずれもナイターでプレイできます。


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■臨港パーク

毎日の夕方のお散歩コースです。ここはマナーが良く、皆さんロングリードで犬を走らせています。

この公園のレストハウスの上にある石垣に座って海を眺めると、本当にリラックスできます。大治郎の後ろにあるのは、錨です。



Visseお薦めの書籍 Vol.①  「クイールを育てた訓練士」 

110519_01.jpg Visseお薦めの書籍第1回目は、僕のトレーナー人生の転機となった「クイールを育てた訓練士」です。

 

~著者の本文より~

「私の盲導犬訓練とは、要するに『グッド』を教えることなんです。『シット(座れ)』、『ダウン(伏せ)』を教えるにしても、それは『座れ』 『伏せ』を使って『グッド』と『ノー』を教えている。

 

ドッグエデュケーションの基本は犬が自ら考えることと言いましたが、障害物があったら右に避けるか左に避けるかを考えさせたい。

~中略~

なぜ段差で止まるのか。考えた結果、止まるようにする。犬に選ばせる訳です。どちらがより楽しいんだろう、と。

 

『グッド』と褒めてもらえるのはどちらなのか、それを犬に選ばせる。そのために『ダウン』という課目を使って『グッド』を教えて行くわけです」。

 

 主従関係を築く「服従訓練」において、「スワレ」や「マテ」そのものを教えていた僕は、この文章を読んだ時、もの凄い衝撃を受けたことを今でも忘れません。今から8年前のことです。

 

今では、師匠として(僕が勝手に呼んでいるだけです)プライベートなお付き合いをさせてもらっています。困ったことや、嬉しいことがあると電話をするのですが、その度に『グ~ドです』と褒めてもらえます。その時僕は、犬になった気持ちでもっと褒めてもらおうと明日から頑張れるのです。


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