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アニマルコミュニケーションのお話。

今日は、僕が講師を行っているアニマルコミュニケーションカレッジで、スタッフをしている近藤さんの愛犬「りく」くん(11ヶ月、ポメラニアン)のお話をご紹介します。とても不思議な話ですよ!?。

今月(2013年2月)の頭に、アニマルコミュニケーターの師匠である高江洲先生に「りくをもっと男らしく育てなさい」とのご指導をいただいたため(※理由はひとまず割愛します)、それからは男性的な面を見て褒めたりし始めました。
 
すると、家の中でマーキングするようになってしまったのです!?ママ(僕のパートナー)がいくら厳しく注意しても収まりません。先生に報告&相談したところ、「飼い主にとっては大変だろうけど、今はそれで良い。"りくの男らしさは充分に分かっているよ"ということを伝えるように」とのアドバイスをいただき、それを実践。
 
しかし、なかなか収まりません。ちょっとでも目を離すとマーキング。ママの物はもちろん、まさかの、僕の腕にまでしてしまいました...。あきれ、りくとの接触を減らしていくママ。このままでは、いけない。こういう時こそ、アニマルコミュニケーターとして解決しなければならない。
 
他人の子とコミュニケーションを取る前に、まずは自分の子と分かり合っていくことが大切。でも、いくら言葉で伝えても収まらない。頻発する室内マーキング。トイレのしつけの時のように、ちゃんとトイレで出来た時にご褒美(お菓子など)をあげるようにしても、駄目。
 
僕は何日も悩みました。しかし、ある日、僕の中の純粋な僕(=インナーチャイルド)が言いました。「言葉で伝えるだけが、コミュニケーションじゃないんじゃないの?ほら、文字とかさ」。その時、気づいたのです。人間同士であっても、メールや手紙などが交流の重要なツールであること。
 
そもそも僕自身、文字でのやり取りが好きなこと。僕自身、よくTo Doや注意事項を忘れ、パートナーに叱られ、家の中に貼り紙をしたりして自分を戒めたこと。そして、りくの性格や性質が、極めて僕に似ていること(笑)。
 
『りくの男らしさ、カッコ良さは、パパもママも充分に分かっているよ。だから、家の中でマーキングなんかする必要はないんだ。ここは間違いなく君の家であり、君の縄張りだよ。』そのようなメッセージとエネルギーを込めて、僕は黒マジックで紙に文字を書きました。
 
しかし、動物さんへのメッセージは言葉でも何でも、出来るだけシンプルに分かりやすくすることがポイントです。上記のようなメッセージを込めて、ただ一言、分かりやすくストレートに「マーキングはダメです!!」と書き(笑)、サークル内に貼ったのです。【※添付画像参照】

「犬に対して何をしてるんだ、この人...。」ほとんどの人が、そう思うでしょうね(笑)。普通の人なら、頭がおかしいと思うはずです。当然、パートナー(りくのママ)にも言われましたよ。「犬は、文字を読めないよ?」と。極めて、正論です(笑)。

さて、貼り紙をした結果ですが、それ以降、一切マーキングをしなくなりました。室内でりくを放置後、今までマーキングをしていた各ポイントをチェックするも、問題なし。偶然のように"段々、収まった"とかですら無く、『貼り紙をした直後から、ピタッと収まった』のです。
 
知り合いのドッグトレーナーの方に報告したところ、「行動分析学的には、説明がつかない」とのことでした。常識や概念を覆すアプローチ。それが、「アニマルコミュニケーション」の世界なのです。
 
※今回の問題行動解決方法は、あくまでも「りくに合わせた」ものです。すべてのコンパニオンアニマルに通用するわけではありません。人間同様、その子その子にとって効果的なコミュニケーション手段があるので、ご留意ください。
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横浜市の犬のしつけレッスン/間違った「待て」の教え方。

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犬のしつけの定番と言えば、「お座り」と「待て」ですね。ヴィッセでは「待て」と命令調ではなく、子供に言うように優しく「待って」と言います。ヴィッセに来られた飼い主の方々の「待って」の教え方に共通していることが必ず三つあります。

一つ目は、画像のように犬にオヤツを見せて「待て」をさせます。当然犬はオヤツしか見ていません。これを行ってしまうと、犬はあなたのために待つのではなく、オヤツのために待つ犬になります。そして、同時に食べ物に対する執着心を育ててしまう結果になります。


二つ目は、犬が待っている間一切褒めません。皆さん「待て」を連呼するか「無言」か、どちらかに分かれます。犬が大人しく待っているということは=正解ということです。それを「グ~ド!」と褒めてあげないと、犬は自分の行動が正しいのか間違っているのか不安になります。


この「グ~ド!」は、褒めるニュアンス以外に「そうだよ、それで合ってるよ!正解だよ!」という意味があります。こうして待ってを教えると、犬が安心して楽しく待つようになります。


最後に三つ目ですが、皆さん犬が座った状態で「ヨシ」と言ってオヤツをあげるので、これは「良くできたね!」の「ヨシ」になってしまいます。「ヨシ」は褒めるための言葉ではありません。「ヨシ」は「もう動いてもいいよ」という「解除」の言葉なのです。

そして、待ってを解除した後に、たくさん褒めてあげます。「待って」と「ヨシ」は、セットで教えなければならないのです。


一番肝心なことは、外でもできるように応用することです。家で出来ても外や興奮した時は、「待って」ができないという方がほとんどです。ですので、ヴィッセでは以下の「3種類の待って」を教えています。


① 一時待機の待って☞一般的な待ってがこれですね。

➁ 緊急の待って☞リードや首輪が外れた時に命が救えます。

➂ 帰って来るからねの待って☞犬をお留守番させるときに使います。


は、出かける時には声をかけずに、無言で出て行くというのがありますが、犬は余計不安になるので、ちゃんと「帰って来るから待っててね」と、声をかけてあげてください。また、ご飯を床に置いて「待って」をさせる方がいますが、これは犬に強いストレスをかけるので行わない方が良いです。

 


「待って」は、我慢をさせるのが目的ではなく、吠える事も含めて犬が興奮した時やパニックになったりした時に、「行動の鎮静剤」として犬の動きを止めるために使うのです。


横浜市の犬のしつけレッスン/家庭犬のしつけとは?

~2015.9.18の投稿から~


18日(金)今日はジャスパーくんのお散歩レッスンで元町に来ました。折角元町まで来たのでスタバでカフェデビューです。二人ともとても良い笑顔ですね!ジャスパーくんも、お行儀良く伏せてカメラ目線がバッチリ決まりました!とくに指示をして伏せさせている訳ではなく、ジャスパーくんが自発的に伏せています。

ヴィッセではいちいち指示をするのではなく、犬が自発的にお行儀の良い行動を行うように習慣づけていきます。それに対して警察犬や盲導犬たちに※自発的行動は許されません。あくまでも指示されたことに対して忠実に行動しなければなりません。

そしてそれは、人間の仕事を手伝う使役犬としてはとても重要なことなのです。でも私たちの目の前にいる犬は無職の家庭犬です。そんな無職の家庭犬に訓練は必要ないのです。

家庭犬のしつけとは、スワレやマテなどを教えることよりも「習慣・ルール」を教えることの方が大切なのです。そして、この2つを教えることにより「我慢=自制心」を覚え、衝動と感情のコントロールができる落ち着いた子に育つのです。

盲導犬には「利口な不服従」というのがあり、これはある場面において飼い主の命令に背くことなのですが、自発的行動と呼べるかも知れません。
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横浜市の犬のしつけレッスン/甘噛みについて

先日、以下のようなお問い合わせがありました。
 
『はじめまして。4ヶ月の柴犬(女の子)の甘噛みに悩んでいます。実は、既に訓練士さんに出張レッスンを二度お願いしました。1回目のレッスンでは、缶に小銭を入れて脅かす方法を教わり、それでしばらくは良くなりました。

 

しかし、しばらくしたらまた甘噛みが出てきてしまい、缶で脅す方法も通用しなくなりました。そして、2回目のレッスンの時、訓練士さんがチョークチェーンを使い始めたのです。

 

私は、うちの子が首を絞められて、キャンと鳴くのを目の当たりにした時、大変ショックを受けました。
翌日、訓練士さんに連絡し、「私も主人もチョークチェーンを使って、うちの子の首を締めることに抵抗があるので、他のやり方を教えて頂けませんか?」とお願いしたところ、訓練士さんは気分を害されたのか、「チョークチェーンを使えないなら、もう他に方法がないので他を当たって下さい。」と言われました。

 

チョークチェーンを使わないレッスン、飼い主参加型のレッスンをして下さるドッグトレーナーさんを血眼になって探していたところ、ヴィッセさんをやっと見つけました。ぜひまずはうちの子に会って頂き、カウンセリングをお願いしたいです。よろしくお願い致します。』
 
以下、糸山の返信

 

○○さんが教わった上記の方法の他にも、甘噛みをしたら「口の中に手を入れて叱る」「マズルを掴んで叱る」という犬を家畜として扱うしつけの方法を、教える立場のプロが行っていることに強い怒りを覚えます。
 
一般的に甘噛みは歯が痒いからと言われていますが、なぜ子犬は甘噛みをするかと言うと、成犬になった時に、チームの一員として狩りに参加しなければならないので、兄弟たちと毎日狩りの練習(プロレスごっこ)をする必要があるのです。これは猫も同じです。
 
しかし、飼い主の元に来た犬には兄弟がいないので、飼い主を狩りの練習相手に求めます。もし先住犬がいる場合は、先住犬が格好の練習相手となります。甘噛みは個体差にもよりますが、大体6~7ヶ月齢で終わります。また、甘噛みを放っておくと本気噛みになると言っている人達がいますが、そんなことは絶対にありません。甘噛みと本気噛みは全く別の問題です。

 

結論としては、甘噛みをすぐにやめさせる方法はないので、何とか耐えてもらうしかありません。甘噛みはやめさせようとするのではなく、齧るという行動欲求を満たすことが一番の解決策です。※「マンガでわかるヴィッセのレッスン」参照
 
以下、甘噛み=齧るという行動欲求が強い犬に必要なことになります。
 
1. ガム(牛皮)やアキレスなど噛むものを毎日与え、齧るという行動欲求を満たす。
2. ロープで引っ張りっこをして、エネルギーを発散させると同時にルールを教える。
3. 散歩の時間を増やす+公園で走らせ疲れさせる。 ※疲れている犬は良い犬だ=イギリスの犬の諺
4. プロレスごっこが出来るお友達を探す(なかなか難しい)、またはドッグランに行く。
5. 度を過ぎた甘噛みは、しっかりと叱っても良い。

横浜市の犬のしつけレッスン/犬の幸せとは?

犬の幸せとは何でしょうか?犬はどんな時に幸せを感じるのでしょうか?犬は「好奇心」のかたまりです。その好奇心の先にあるものは「達成感」です。そして、狩猟動物である犬の好奇心は、とくに「探索する」「追いかける」「破壊する」という行動によって満たされます。
 
ボールを追いかけるのは、獲物を追いかける本能であり、ぬいぐるみの綿を取り出して破壊するのは、仕留めた動物の内臓を引っ張り出す本能です。麻薬探知犬や災害救助犬、警察犬たちが生き生きとして仕事をするのも、「探索行動」の探し当てた時の達成感から得られる自分自身の喜びと同時に、飼い主の喜ぶ姿が犬にとっても幸せだからです。

僕が小学生の頃、友達と探検ごっこをして硬式野球のボールを見つけた時の興奮は、今でも忘れることができません。人も犬も何かを達成することで、喜びを得られるように神様がインプットしています。

探索行動以外では、フリスビーやボールを追いかけるなどの「狩猟行動」は、いっそう犬の本能を掻き立てることができます。そして、その達成感は、飼い主と共有できた時、何倍もの喜びとなりこの上ない幸せを犬は感じるのです。

では、使役犬と違い仕事を持たない無職の家庭犬にとって、幸せとは何でしょうか?それは、大好きな飼い主とのお散歩です。犬にとって大好きな飼い主と共に行動する散歩の時間は、1日のうちで最も楽しい時間なのです。

散歩に行くことで外の世界と繋がり、五感が刺激され豊かな心を育むことができるのです。毎日お散歩に行く犬の表情は、生き生きとしています。逆に散歩をしない子は、外での刺激が不足し、神経質で臆病な子に育ちやすくなります。

とくに長時間のお留守番をさせられて散歩が不足している犬は、ストレスをため込んでイライラしています。それが、無駄吠えや噛みつきという行動に現れるのです。私の生徒さんでペットショップの店員さんや獣医さんに、「お散歩は毎日行かなくても、飼い主の都合で行けば大丈夫ですよ」と言われた方が何十人もいます。

言われた方のほとんどが、小型犬の飼い主さんですが、これは多分、犬を「家畜」として「飼う」ことを前提に言われているのだと思います。家畜ということであれば、お散歩は飼い主の都合で行きたい時に行こうが、ケージに閉じ込めてお留守番を長時間させようが構わないでしょう。

しかし、「家族」として「共に暮らす」のであれば、豊かな生活環境を与え、愛犬の心を育むことが、飼い主としての義務であり、責任ではないでしょうか?その一番の義務と責任がお散歩だと私は思っています。朝は時間がなくてお散歩に行けないというのは、理由にもなりません。
 
散歩は、愛犬の心と体を健全に育み、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間です。


ヴィッセが考える「共に暮らすためのしつけ」とは、毎日のお散歩が土台としてあって成り立つと考えています。 犬にとって、飼い主との散歩は生活のすべてです。挑戦すること、協力すること、達成すること、そして、元気に走り回ること・・・。犬の一生は、毎日が夏休みなのです。 

横浜市の犬のしつけレッスン/~問題と言われる行動について~

一般的に問題行動と言われている、「吠える」「齧る」「甘噛み」「飛びつく」「拾い食い」「トイレをどこでもする」「くわえた物を離さない」など、これらの行動は、犬が犬としての遺伝情報に基づき、「本能的に行動しているだけ」です。


とくに子犬のうちは活発な子ほど、本能の塊のようなただの野生動物です。しかし、その本能的な行動の中には、育ちすぎると無駄吠えなど、人間社会で生活するにあたり、弊害になってしまうものもあります。


そして、どの遺伝情報を顕著に引き継いでいるかは、犬種、繁殖にも左右されますが、ひとつだけはっきりと言えることは、人間側にとって問題と呼ばれる行動を顕著に引き継いでいる犬ほど、しつけの必要があるということです。


人間と暮らし始めたばかりの子犬には、問題行動というものは基本的にはありません。飼い主からまだ何も教えてもらっていないわけですから・・・。先に述べた行動は、犬を自由奔放に行動させていれば、当たり前のようにやります。そうした行動が成犬になっても残ってしまうと、問題行動と呼ばれるようになるわけです。


また、犬によっても個体差があるので、すべての犬が問題行動を起こすわけではありません。しつけがしやすいかしにくいかは、生まれ持った犬の気質で決まるといっても良いでしょう。


犬の行動が問題化する原因の多くは、犬の気質に加え社会化不足や散歩不足、長時間のお留守番など、子犬の頃の経験不足によることがほとんどです。そして、犬に何か問題が起きると、多くの飼い主がその問題のみに目を向けてしまい、しつけの本やネット、または人から聞いた情報などで直そうとしますが、ほとんど上手くいくことはありません。


なぜなら、それらの情報は、問題を起こしているワンちゃん専用に向けられたものではないからです。さらに、飼い主が犬という動物の習性や、学習の仕方を正しく理解できていないこと、犬に与えている生活環境が適切でなかったり、悪い行動を叱るだけで、良い行動を教えないことにも原因があるからです。


イヌとヒトは、文化も習慣も、そして、コミュニケーションの手段も違います。犬のしつけとは、そんなヒトとイヌが一緒に暮らすわけですから、犬と心を通わせるために、コミュニケーションの取り方をお互いが学ぶことではないでしょうか。現在の家庭犬のしつけは、このお互いが学ぶという部分が抜けていると思います


現在における家庭犬のしつけとは、単に「スワレ」や「マテ」を教えることではなく、犬をしつけようとする前に、飼い主が正しい知識を勉強し、それを自分の知識として持つことで、初めてしつけや問題に対する適切なアプローチと、的確な対処を発揮することが出来るようになるのです。


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