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Visse's Blog エッセイの最近のブログ記事

横浜市の犬のしつけレッスン/犬はなぜチャイムに吠えるのか?

犬はなぜチャイムに吠えるのでしょうか?

ヤフーで見つけた記事に、犬がチャイムに吠える理由を以下のように解説していました。


✔知らない人に警戒している
✔飼い主に知らせたい
✔嬉しくて興奮している
✔大きな音に刺激されてしまう


まあ、吠える理由はこんなところだと思います。僕の見解はちょっと違います。

なぜチャイムに吠えるのかというと、


まず一つ目は、「たまに鳴るから」です。


普通の家庭で1日に何回チャイムが鳴るでしょう? せいぜい1~2回? 多くても2~3回くらいではないでしょうか?もしチャイムが1分おきに鳴っていたら、多分20分~30分後には、吠えなくなっているのではないでしょうか? これを「馴化」と言います。


僕はレッスンでこのチャイムに吠える話が出ると、必ず生徒さんに聞くことがあります。それは、「船酔いは何でするのでしょうね?」という質問です。すると、大抵の生徒さんが「三半規管が弱いから」と答えます。


間違いではないですが、僕は、「たまに乗るからです」と答えます。もし、あなたが漁師に転職して船に乗り始めたら、多分1~2週間くらい吐き続けると思います。でも毎日乗っていれば、先程の三半規管が鍛えられますから、いずれ吐くことはなくなるでしょう。


犬の車酔いも同じで、毎日乗せなければ、たまに乗っても車酔いを克服することはできません。そうです、「何か」に慣れさせるというのは、毎日の作業なのです。たまに行ってもその「何か」には、慣れることはありません。


次に二つ目は、「犬には、今何時という時間の概念がないから」です。


もし、あなたの家のチャイムが夜中の2時になったら、当然「誰が来たんだ!?」と警戒しますよね? 最近、僕の家のチャイムが夜の11時半ごろに鳴ったので、僕と妻はびっくりして顔を見合わせました。そして、恐る恐る応答すると「ウーバーイーツです!」と返事がありました。


ウーバーイーツさんが間違って僕の家に配達に来たのです。僕はホッとすると同時に、ちょっと切れ気味に「注文してませんよ!」と答えてしまいました。もし、これが日中のチャイムだったら、ほとんどが宅配の人なので、恐る恐るインターホンに出ることはありませんよね。


私たち人間には、時間の概念があるので、日中のチャイムに警戒することはありませんが、犬には、今何時という時間の概念がないので、常に警戒態勢を敷いているという訳です。以上が僕の見解でした。このチャイムに吠える対処法は、改めてブログで紹介します。


横浜市の犬のしつけ教室/~間違った「待て」の教え方~

images.large.jpgのサムネイル画像犬のしつけの定番と言えば、「お座り」と「待て」ですね。ヴィッセでは「待て」と命令調ではなく、子供に言うように優しく「待って」と言います。ヴィッセに来られた飼い主の方々の「待って」の教え方に共通していることが必ず三つあります。

一つ目は、画像のように犬にオヤツを見せて「待て」をさせます。当然犬はオヤツしか見ていません。これを行ってしまうと、犬はあなたのために待つのではなく、オヤツのために待つ犬になります。そして、同時に食べ物に対する執着心を育ててしまう結果になります。


二つ目は、犬が待っている間一切褒めません。皆さん「待て」を連呼するか「無言」か、どちらかに分かれます。犬が大人しく待っているということは=正解ということです。それを「グ~ド!」と褒めてあげないと、犬は自分の行動が正しいのか間違っているのか不安になります。


この「グ~ド!」は、褒めるニュアンス以外に「そうだよ、それで合ってるよ!正解だよ!」という意味があります。こうして待ってを教えると、犬が安心して楽しく待つようになります。


最後に三つ目ですが、皆さん犬が座った状態で「ヨシ」と言ってオヤツをあげるので、これは「良くできたね!」の「ヨシ」になってしまいます。「ヨシ」は褒めるための言葉ではありません。「ヨシ」は「もう動いてもいいよ」という「解除」の言葉なのです。

そして、待ってを解除した後に、たくさん褒めてあげます。「待って」と「ヨシ」は、セットで教えなければならないのです。


一番肝心なことは、外でもできるように応用することです。家で出来ても外や興奮した時は、「待って」ができないという方がほとんどです。ですので、ヴィッセでは以下の「3種類の待って」を教えています。


① 一時待機の待って☞一般的な待ってがこれですね。

➁ 緊急の待って☞リードや首輪が外れた時に命が救えます。

➂ 帰って来るからねの待って☞犬をお留守番させるときに使います。


➂は、出かける時には声をかけずに、無言で出て行くというのがありますが、犬は余計不安になるので、ちゃんと「帰って来るから待っててね」と声をかけてあげてください。また、ご飯を床に置いて「待って」をさせる方がいますが、これは犬に強いストレスをかけてしまうので行わない方が良いです。


「待って」は、我慢をさせるのが目的ではなく、吠える事も含めて犬が興奮した時やパニックになったりした時に、「行動の鎮静剤」として犬の動きを止めるために使うのです。


禁止のしつけとは?~犬に何が正解かを教えること~

禁止のしつけとは?~犬に正解を教えるということ~                     
 

ここでいう正解とは、「飼い主が望むこと(やってもよいこと)=正解」になります。そして、その飼い主の望むことを表す言葉が、「グ~ド!」と肯定することになります。そうして褒めてあげることで、犬(人も)はその行動を繰り返したいと思います。


反対に、犬が何か好ましくない行動を行った時は、「飼い主が望まないこと(やってはいけないこと)=間違い」となり、それを表す言葉が「ノー」と否定することになります。しかし、犬を叱るだけでは、良い行動が身に付くことはありません。

なぜなら、犬は反省と後悔ができないので、間違った行動をどう改めたらよいかはわかりません。ここが人間と違うところです。多くの飼い主が犬を叱ってしつけようとしますが、叱って犬がお利口になるなら誰も苦労はしません。


大切なことは、犬に「ノー」と間違いを注意したら、必ず正解を教え「グ~ド!」と褒めて終わることで、犬は飼い主が何を望んでいるのかを理解し、「駄目がきちんと理解できる子」に育っていきます。


犬が吠えた時に、「音のする缶を投げる」とか、何かいたずらをした時には、「マズルをつかむ」など、罰を与えるだけのしつけがいまだに残っています。しかし、何が悪いかの理由づけが出来ない犬を叱るだけでは、何が悪いかは永遠に理解できません。したがって、同じことに対して毎回叱らなければならなくなります。


では、正解を教えるとはどういうことでしょうか?

実際に練習してみましょう。まずオヤツを用意します。少し大きめがいいです。次に犬にリードをつけて短く持って下さい。そして、オヤツを犬の鼻先に持って行き、匂いを嗅がせたら、30センチほど前に放ります。

当然犬は食べに行きますので、リードで犬の動きを止めると同時に軽く「ノー」と注意して下さい。決してきつく叱らないで下さい。何故なら犬は悪いことをしている訳ではないからです。

オヤツを回収したら、もう一度オヤツを犬の前に放って下さい。犬がまたオヤツを食べに行ったら、また軽く「ノー」と注意をします。これを繰り返し行うと、早い子で3回目には学習し、オヤツを食べに行かなくなります。

何回目かに犬がオヤツを食べに行かなかったら、すかさずオヤツを拾って「グ~ド!」と褒めてからオヤツを与えて下さい。稀に10回以上繰り返さないと学習しない犬もいますが、大抵は5~6回繰り返すと食べに行かなくなります。


そして、これは拾い食いをしてはいけないという「禁止のしつけ」になります。勝手にオヤツを食べに行くことが間違いで、食べに行かないことが正解ということです。

犬は学習する生きものです。その学習とは、人も犬も何回も繰り返し教えることで理解し、身に付いていくのです。最後に、私が「盲導犬訓練士」多和田 悟氏から教わった言葉を紹介します。

「No」は教えなければならないが、「No」で何かを教えることはできない。


家庭犬のしつけとは?

犬にオヤツを使って「お座り」や「待て」などを教えることを、「オペラント条件づけ」と言います。同じようにイルカたちがジャンプをした後、トレーナーさんから必ずお魚をもらっていますよね。

トレーナーさんの指示で、イルカがジャンプし、その結果、お魚がご褒美でもらえたという流れです。ジャンプした後に、イルカにとって良いことが起きているので、今後トレーナーさんの合図で、ジャンプするという行動が増えるという理屈です。同じことを犬でやってみましょう。


飼い主が「お座り」と指示する →座る → その結果 →ご褒美(オヤツ)がもらえた。全く同じですね。このオペラント条件付けとは、動物に「何かをさせる」ということが目的で、トレーナーさんは、イルカをしつけている訳ではなく、イルカに「芸」を教えているということです。


イルカのジャンプを見て「よく訓練されているなー!」と思っても、「よくしつけられたイルカだなー」と、思われる方はいないのではないでしょうか?そもそもイルカがなぜジャンプするかと言うと、ジャンプした後に必ずお魚がもらえるからです。トレーナーさんは、イルカがジャンプをするたびに、必ず毎回お魚をあげていますね。☜連続強化スケジュール

これと同じことが犬のしつけでも見られます。ヴィッセのカウンセリングシートの質問項目に、


■オヤツがなくてもいうことを聞きますか?  □はい  □いいえ

という質問があります。そして、ほとんどの方が、☑いいえにチェックを付けます。

そうです!イルカも犬も、トレーナさんや飼い主のためにジャンプやお座りをしているのではなく、お魚やオヤツをもらうためにやっているという訳です。もし、トレーナーさんがオヤツをあげなくなると、イルカはジャンプをしなくなるでしょう。☜消去


しつけと訓練は違います。どんなに「お座り」や「待て」などを教えたからと言って、無駄吠えなどの問題行動を起こさない子に育つ訳ではありませんし、どこに出しても恥ずかしくない子に育つとは限りません。


僕が家庭犬のしつけで一番大事に考えているのは、「禁止のしつけ」です。禁止のしつけとは、拾い食いをしないとか、お散歩で他の犬に向かって吠えないとか、台所に入ってはいけないなど、日常生活でのルールを教えることです。


どんなにお座りや待てなどが上手にできても、散歩中に他の犬に吠えかかったり、オシッコをどこでも勝手にして周りに迷惑をかけていたら、意味がないと思います。犬のしつけは、犬の性格と個性によります。

たとえば、怖がりで臆病な子に一生懸命「お座り」や「待て」などを教えても、怖がりや臆病は克服できません。また、活発過ぎて落ち着きがない子に、一瞬芸程度の「待て」を教えても「我慢」は覚えません。子どものしつけも犬のしつけも、それぞれの子にあった「テーマ」があるのです。


横浜市の犬のしつけレッスン/しつけとトレーニングの違い。

stockfoto_163502494_XS.jpg最近お客様で、『褒めてしつけるということは、絶対に叱ってはいけないことだと思っていました。』
という方が多いので、今日はこの辺に触れてみたいと思います。


いまだにしつけとトレーニングが混同されています。もし、私が犬に持って来いや、フリスビーなどを教えたくてトレーニングをする場合は、モチベーションを大切するので、たとえ上手くできなくても絶対に叱りません。なぜなら、叱っても上達することはありえませんから。これは、人にテニスを教える時も同じです。


トレーニングをする時は、犬の希求性が大切なのです。出来ないからといって叱ると、モチベーションが下がり、覚えることを拒絶してしまうのです。


しつけとは、犬も人間も「やってもよいこと=好ましい行動」を教えることです。
同時に「やってはいけないこと=好ましくない行動」も教えなければなりません。

犬が好ましくない行動をした時、そして、それが周りに迷惑をかける行為であった時は、それは「して欲しくない」ということを、犬に理解してもらう必要があります。


犬にとってどのような行動をしてはイケないのか、きちんと感情が伝わるように叱るのであれば、叱っても構いません。なぜなら、犬はその感情をちゃんと読み取ってくれるからです。犬は、あなたが本気で叱っているかどうかはすぐわかります。私はこの部分を一番大切に考えています。


ある哺乳類動物の研究でも、親にきちんと叱られることに愛情を感じ、
叱ってくれる親にすがろうとすることが認められています。


どちらにしても善悪の概念がない犬を叱っても、犬にとっては理不尽な事ばかりだと私は思っています。そして、あなたが些細なことで短気を起こして愛犬を叱ったとしても、私はそれでいいとも思います。


なぜならあなたの愛犬は「家族の一員」なのですから。家族であれば、些細なことで親子げんかも兄弟げんかもするでしょう。でも、それが家族なのです。しかし、それでもあなたの犬は、どんなに叱られても正解を教えてもらえなくても、あなたに変わることのない永遠の愛情を向けてくれるのです。

 

最後に私の師匠である、盲導犬訓練士 多和田 悟氏から教わった言葉を紹介します。


Noは教えなければならないが、Noで何かを教えることはできない。


横浜市の犬のしつけレッスン/愛犬をどこに出しても恥ずかしくない子に育てるには?

だいじろう.JPG犬は文化も習性も私たち人間と違います。そんな犬たちにとって、人間社会での禁止事項は、複雑で理解できないものばかりでしょう。しかし、愛犬が家族の一員として人間社会に受け入れられるには、私たち人間の環境や習慣に合わせて一緒に暮らしてもらわなければなりません。


ですので、飼い主は家族や友人、外で出会う人々、特に犬を飼っていない人や、犬が嫌いな人達に不愉快な思いをさせないためには、どうしたらよいかを教える必要があります。


家庭犬のしつけには、人間社会から求められるしつけ=禁止のしつけと、飼い主が犬に求めるしつけ=動作を教えるしつけの2つがあるのです。禁止のしつけには、次の3つがマナーとして重要な項目になります。


①他の人や犬に向かって吠えない=警戒心の強い犬

②咬まない=特に臆病なオス犬

③排泄をどこでもさせない=特にオス犬のマーキング


この3つが守れていれば、家庭犬として何も問題はありません。
しかし、残念ながら、は、私の所で扱う一番多い問題行動です。

特にに関しては、電柱や家の前の植え込みなど、町中が犬のトイレと化しています。近年では、排泄の後に水をかけるということが定着していますが、賛否両論あるみたいです。どんなに「スワレ」や「マテ」などの動作が完璧にできたところで、人間社会に迷惑をかけていたら本末転倒です。

そして、の問題に共通している犬は、「怖がりで警戒心が強い小型犬」に多いことです。怖がりで警戒心の強い犬は、自分自身で「怖がり」は克服できません。子犬のうちに色々な所に連れて行ったり、人や犬に合わせたりして、飼い主がたくさんの経験を積ませる必要があるのです。


犬が番犬である時代は終わりました。今や犬は家族の一員なのです。現在に於ける家庭犬のしつけとは、「お座り」や「待て」などの動作を教えるだけでは十分ではないのです。

現在の家庭犬のしつけに求められていることは、家族の一員として、愛犬を防御的で反社会的な犬に育てないことなのです。ヴィッセでは、禁止のしつけを一番に考えています。


横浜市の犬のしつけレッスン/子犬の甘噛みについて

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ネットで以下のような記事を見つけました。

 

『子犬のうちに甘噛みのしつけをせず、いくらでも噛むことを許し、叱ることをしなかった犬は、人を本気で噛むようになることがあります。子犬のうちはどうしても甘噛みをしたいものです。成犬になってからも飼い主さんに甘えたくて甘噛みをする犬もいます。

しかし、全くしつけもされず叱られもせず、噛むことを許されてきた犬は、噛むときの力加減がわかりません。いくらでも噛んで良いと勘違いしています。そうすると、人を本気で噛み、飼い主さんや家族に大怪我を負わせたり、他人であれば咬傷事故として取り扱われてしまいます。』

 

こういう記事を書く人達は、まったく犬の習性が分かっていない人達だと思います。先に結論から言ってしまうと、甘噛みが本気噛みになることは絶対にありません。甘噛みと本気噛みは全く別な問題です。

 

そもそも、なぜ子犬は甘噛みをするのでしょうか?

 

一般的には、「歯が痒いから」というのが、最も多く言われていますが、この意見を僕は信じていません。なぜ子犬は甘噛みをするかと言うと、成犬になった時にチームの一員として狩りに参加しなければならないので、兄弟たちと毎日狩りの練習(プロレスごっこ)をする必要があるのです。

しかし、飼い主の元に来た犬には兄弟がいないので、飼い主が狩りの練習相手になります。もし先住犬がいる場合は、先住犬が格好の練習相手になります。これは猫も同じです。

 

甘噛みをやめさせる方法として、「マズルをつかんで叱る」「口の中に手を入れて叱る」「仰向けにして叱る」「チョークチェーンで首を絞める」などの、虐待同然のしつけ方を教えている人達がいることに胸が痛みます。
 

これらの対処法は、犬を家族ではなく、家畜として扱うしつけの方法です。ここで言う家畜とは、犬を人間より下に見て、犬の気持ちを尊重(理解)しないということです。犬が甘噛みを始めたら、叱るか、すぐにその場を立ち去るか、一切反応しないかのどれかになります。


しかし、どの方法もすぐには効果が出ることはないので、結論としては、甘噛みをすぐにやめさせる方法はありません。甘噛みは、やめさせようとするのではなく、齧るという行動欲求を満たすことが一番の解決策です。

 

以下、甘噛みの改善に必要なことになります。


1.ガム(牛皮)やアキレスなど噛むものを毎日与え、齧るという行動欲求を満たす。

2.ロープで引っ張りっこをして、エネルギーを発散させると同時にルールを教える。

3.散歩の時間を増やす+公園で走らせ疲れさせる。 ※疲れている犬は良い犬だ=イギリスの犬の諺

4.プロレスごっこが出来るお友達を探す☞犬の幼稚園に入れる、またはドッグランに行く。


横浜市の犬のしつけレッスン/しつけと訓練の違い

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現在、日本におけるしつけの方法は、警察犬の訓練が基盤となっています。警察犬訓練所における基本的な訓練とは、スワレ、フセ、マテ、コイ、ツイテの5つの行動を教えることです。訓練は服従訓練と呼ばれ、絶対的な主従関係が求められます。


そして、この服従訓練に見られる代表的なルールとして、

 

・飼い主より先に歩かせない   

・食事は飼い主が先で犬は後                                                       
・玄関を出るときは飼い主が先 

・犬と一緒に寝てはいけない       

 

などがありますが、これらのことは、家庭犬のしつけとは何も関係ありません。
また、「甘噛みをしたらマズルをつかんで叱る」「仰向けにして叱る」「犬が吠えたときに、音の出る缶を投げる」なども、この訓練から来ています。


そもそも、この服従訓練の目的とは、人間の仕事を手伝う使役犬になるためのものです。訓練の時間は限られているので、常に緊張感と集中力が求められます。指示の出し方も、「座れ!!」「待て!!」と厳しく命令調で言わなければなりません。

 

警察犬の訓練における主従関係とは、人間の世界で言えば、師匠と弟子になります。しかし、使役犬として、指示された命令に忠実に従わせる家畜化としての訓練と、家庭犬として、共に暮らすための家族化としてのしつけは、まったく別なものなのです。


家族の一員として育てる家庭犬のしつけに、主従関係は必要ありませんし、緊張感も集中力も必要ありません。家庭犬の暮らしに必要なことはリラックスです。

その家庭犬のしつけとは、お散歩で人や犬に向かって吠えないとか、拾い食いをしないとか、他の犬と上手に挨拶ができるとか、日常生活でのやっても良いことや、やってはいけないことのルールを、しつけるのではなく教育することです。


その犬の教育には、飼い主の正しい知識、そして根気と時間が求められます。ヴィッセが考える犬のしつけとは、文化も習慣もそして、コミュニケーションの手段が違うヒトとイヌが快適に暮らし理解しあうためには、犬だけではなく、飼い主と犬が一緒に学び、共に成長していくことが大切なことだと考えています。

 

※写真は、左から大治郎、幸太郎、杏です。毛布に隠れて分かりませんが、真ん中で僕が寝ています。


横浜市の犬のしつけレッスン/問題行動の矯正法について

無駄吠えや飼い主を噛むなどの問題行動の多くは、犬の生まれつきの性格に加えて飼い主が適切な学習と、適切な生活環境を与えなかった結果として発達することがほとんどです。その問題行動の改善には、犬以上に飼い主の努力が求められます。

 

ヴィッセの問題行動の矯正には、行動分析学における「行動療法」「行動変容法」という技法を使って行っています。簡単に説明すると、犬に良い行動を教えその良い行動が増えていけば、悪い行動は減っていくという理屈です。

 

人間で例えると、問題を起こす子供にテニスやボクシングなどを教え、その子がやがて上達して周りから称賛されるようになった時、多分、その子の問題は解決しているでしょう。子どもも犬も罰を与える(叱る)だけでは、根本的な問題は解決しません。

 

ただ、行動療法だけで、犬の問題行動が解決するという訳ではありませんが、どれだけのトレーナーや訓練士が行動分析学を勉強して「行動療法」を行っているかと言えば、いまだに旧態依然とした経験と勘だけで、古典的なトレーニングを行っている方々が多いのが実情です。

 

もちろん、どんな分野でも経験と勘は大切なことですが、行動分析学を勉強して人とそうでないトレーナーの差は歴然です。私はテニスコーチでもありますが、気合と根性だけでテニスを教えるコーチと、運動生理学や物理学を勉強したコーチに教わるのは雲泥の差です。

 

現在、問題行動の矯正法は様々な方法で溢れかえっています。問題行動が改善するかどうかは、飼い主の方がそのトレーナーや訓練士の考え方に共感できること。そして、心から信頼できることが何よりも大切なことです。


横浜市の犬のしつけレッスン/問題行動について

ヤフー知恵袋で見つけた質問です。あまりにも面白かったので紹介します。

 

『○歳○か月の♂の小型犬を飼っています。以前から噛む癖と見知らぬ人に吠える癖が酷いので、訓練所に預けました。家に帰ってしばらくはおとなしくしていたのですが、3週間くらいたつと全く元に戻ってしまいました。しつけ教室の効果なんてこんなものなのでしょうか? それとも悪徳業者に引っかかってしまったのでしょうか?』

 

訓練所に預けて家に帰ったら、元に戻ったというよく聞く話ですが、訓練所に入れられた犬は、「服従訓練」と呼ばれるものを受けます。この「服従訓練」とは、指示された命令に忠実に従わせることで、犬の「従属性」を引き出し、「主従関係」を築くことを目的としています。

 

訓練以外の時間は犬舎に入れられ、徹底的に生活を管理されています。自由な時間はほとんどありません。訓練の時間が人間と触れ合うことができる唯一の時間で、毎日訓練に明け暮れている訳ですから、当然訓練士の言うことは、よーく聞くようになります。

 

そして、犬が家に帰ると、しばらくは訓練所での生活のリズムが残っているので大人しくしていますが、毎日訓練ずけだった日々から、以前と同じ自由な日々の生活環境で暮らし、さらに、飼い主が何も学んでいないので、日が経つにつれ元に戻るのは当たり前の話です。まして、相手は生きものなのです。ものを修理するような訳にはいかないのです。

 

僕も日中、犬を預かってレッスンをするので、「犬を預けると先生のいうことは聞いても、飼い主のいうことは聞かないのではないでしょうか?」という質問はよく受けます。

 

先日、ご夫婦で問題行動のカウンセリングを受けられた奥様から、同じ質問をされました。すると、傍にいたご主人がすかさず、「もしそうなったら、俺たちが駄目だってことだよ」と、奥様に言ってくれたのです。僕は思わずご主人に拍手をしてしまいました。 

 

しつけ教室は「基礎」を学ぶところです。私たちがどんなに犬をトレーニングしても、飼い主がトレーナーから学んだことを、日常生活という「応用」の場で「実践」できなければどうにもなりません。

 

 さまざまな問題行動は、犬の生まれつきの性格に加えて、飼い主が「適切な学習」を教えなかったことと、「適切な生活環境」を与えなかった結果として発達したものです。

問題行動を治す上で大切なことは、その問題のみに目を向けるのではなく、問題を引き起こしている犬と向き合うと同時に、飼い主自身が今の生活環境を含めて全体を見つめ直すことなのです。

 

犬の行動は、飼い主との相互関係の中で発生している行動なので、飼い主が変化しなければ、犬の行動も変わりません。したがって、問題行動の矯正においては、犬の好ましくない行動だけを変えようとするのではなく、飼い主の行動と同時に意識も変えることが不可欠なのです。


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