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Visse's Blog エッセイ: 2019年12月アーカイブ

横浜市の犬のしつけ教室/犬と暮らすということ~ヴィッセのテキストから~

犬と暮らすということ

犬は、飼い主の態度姿勢を常に見ています。                             

その姿勢や態度が、犬が飼い主を主人だと判断する基準になります。

 

さらに、飼い主の価値観道徳観はそのまま犬に反映します。
犬の行動は、飼い主の性格と与える環境で大きく変わるのです。                   
 

今、巷に存在する「しつけ」の方法をどんなに実践しても、                       
そこに、しつけの意味目的を見出せなければ、上手く行くことはありません。

              

また、おやつを使うだけのインスタントなしつけをしても、犬とがつながることはないでしょう。

親と子、先生と生徒、上司と部下、飼い主と犬、これらの関係はみんな尊敬で成り立ちます。

 

以前、散歩の時に見かけた光景があります。

 

ホームレスの方が、自転車の荷台に目一杯の空き缶を積んで歩いていました。

その横を一頭の犬がぴったりと側について歩いています。               

その犬は、好き勝手に匂いを嗅ぐことも、引っ張ることもありませんでした。

 

そして、お互いが助け合うように寄り添っていた姿に、犬と暮らす本質を教えられた気がします。

 

子供のしつけに近道なんてないように、犬のしつけにも近道はありません。              

古くは古代から、イヌはヒトと暮らしてきました。ワニと、その歯の掃除をする小鳥みたいに。

そうしてお互い助け合い、相手を尊重することで、ヒトとイヌはと共に暮らしてきたのです。

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横浜市の犬のしつけ教室/ヴィッセの基本理念~ヴィッセのテキストから~

ヴィッセの基本理念

目標:心と体を育み、情緒が安定した誰からも愛される犬に育てること。

まず愛犬の気持ち、感情を理解して相手を尊重することから始めます。

「スワレ」や「マテ」などを教える時に、きつい言葉や命令調で指示をしたりしません。

強制して言うことを聞かせようとすることは、犬との「絆」を壊します。

ヴィッセでは、「すわって」「まって」「おいで」「行こう」と、
子供に語りかけるように言っています。ここでいう子供とは、幼稚園児以下だと思って下さい。

逆に、たとえやさしい言葉であっても、オヤツを使っていても、
嫌がっていることをやらせれば、それは強制であり犬にとってはやさしくありません。

愛犬の声に耳を傾け、気持ちを理解し、
双方向のコミュニケーションを築くことが基礎になります。

 

また、甘噛みをしたら「マズルをつかんで叱る」「口の中に手を入れて叱る」などの
暴力的な行為は絶対に行いません。

スワレやマテなどを、いちいち指示でさせません。

 

これらの動作は、犬がパニックになったり、興奮して衝動と感情をコントロール
できなくなった時以外は、イヌが自分で判断して自発的に行う事と考えています。
 

また、食餌の時、床にご飯を置いてマテをさせたり、「スワレ~マテ」を教えるときに、
おやつを見せて教える人がいますが、これは、食べ物に対する執着心を生み、
無駄なストレスをかけるので、行わないで下さい。


横浜市の犬のしつけ教室/人と犬の動かし方~ヴィッセのテキストから~

犬がいうことを聞いてくれるようになるには~ヒトとイヌの動かし方~  
 
 
  ●脅す=体罰などで恐怖心を与える
 

   →従う犬(人間)もいる
   →反発する犬(人間)もいる
 
  ●懇願する=犬に気を遣う
 

   →頼りなく感じる
   リーダーとしては認めてくれない
 
  ●金や物でつる=オヤツやオモチャ
 
   →それだけの関係
   もらう時しかいうことを聞かない
 
  ●尊敬される=犬に楽しく学習させる

   →犬の心を掴む
   →犬が希求的にいうことを聞いてくれる

※人も犬も、妻も子供も、部下も業者さんも気持ちよく動かすことが理想。
 そして、動物の行動は、すべてモチベーション。


横浜市の犬のしつけレッスン/犬の学習の仕方~ヴィッセのテキストから~

犬が良くも悪くも色々な行動を学習するのは、
私たち人間の反応によって、行動が強化されるからです。

犬は、自分の利益になることはすぐに学習すると同時に、
飼い主が喜ぶことは自分も嬉しくなり、何度でも繰り返したくなります。
 
例えば首輪やリードを付ける時に、「待って、待って!落ち着いて、ほら動かないで!!」と、
飼い主が話しかけすぎると、犬は飼い主が喜んでいると思い、余計に興奮するようになります。
 
飼い主が喜んでいることに気づいた犬は、飼い主を喜ばせるには
「じっとしていないことが良いことだ」ということを学んでいるのです。

犬に大人しく首輪やリードを付けさせるには、話しかけすぎないことです。
しかし、これは女性にとって難しいことのようです。犬にリードを付ける度に
飼い主が話しかけすぎるのは、犬の方が飼い主を訓練したとも言えるでしょう。
 
このように飼い主の知らないところで、お互いを訓練し合っているのです。
しかし、どちらかと言えば、飼い主が犬に訓練されていることの方が多いようです。
分かりやすい例として「飛びつき」があります。

犬が飛びついた時に、飼い主がなだめるように叱ると、犬にとって飼い主の言葉が「ご褒美」となり、
犬は飼い主が喜んでいると思い、余計に飛びつくようになってしまいます。
犬の飛びつきが直らないのは、飼い主が毅然と拒否していないからなのです。

こうして飼い主は叱っているつもりでも、犬にとっては「ご褒美」となっていることは
様々な場面で見受けられます。犬は、物事を「利益=快」「不利益=不快」で判断します。

自分に都合が良いことはすぐに学習しますし、逆に飼い主にとって都合が悪いことは、
なかなか覚えてくれません。飼い主の方は、自分の与えている言動が犬にとって
「ご褒美」となっていないかを、常に意識するようにしましょう。

横浜市の犬のしつけレッスン/お散歩の意味~ヴィッセのテキストから~

犬は、どんな時に幸せを感じるのでしょうか?
みなさんは「犬の生きがいって何だろう?」と考えたことはありますか?

犬は「好奇心」のかたまりです。その好奇心の先にあるものは「達成感」です。
そして、狩猟動物である犬の好奇心は、「探索する」「追いかける」「破壊する」
という行動によって満たされます。

ボールを追いかけるのは、獲物を追いかける本能であり、ぬいぐるみの綿を取り出して
破壊するのは、仕留めた動物の内臓を引っ張り出す本能です。

警察犬や災害救助犬、麻薬探知犬たちが生き生きとして仕事をするのも、
探索行動」の探し当てた時の達成感から得られる自分自身の喜びと、
同時に飼い主の喜ぶ姿が犬にとっても幸せだからです。

僕が小学生の頃、友達と探検ごっこをして硬式野球のボールを見つけた時の
興奮は今でも忘れることができません。人も犬も何かを達成することで、
喜びを得られるように神様がインプットしています。

では、使役犬と違い仕事を持たない無職の家庭犬にとって、幸せとは何でしょうか?
それは、大好きな飼い主とのお散歩です。犬にとって大好きな飼い主と共に行動する
散歩の時間は、1日のうちで最も楽しい時間なのです。

散歩に行くことで外の世界と繋がり、五感が刺激され心と体を育むことができるのです。
毎日お散歩に行く犬の表情は、生き生きとしています。逆に散歩をしない子は、
外での刺激が不足し、神経質で臆病な子に育ちやすくなります。

とくに、長時間のお留守番をさせられて散歩が不足している犬の精神状態は、ストレスと不安を抱え
イライラしています。それが、無駄吠えや分離不安、噛みつきという行動に現れるのです。
問題行動の多くは、長時間のお留守番と散歩不足によるストレスなのです

私の生徒さんでペットショップの店員さんや獣医さんに、
「お散歩は毎日行かなくても、飼い主の都合で行けば大丈夫ですよ」と言われた方が
何十人もいます。言われた方のほとんどが、小型犬の飼い主の方々ですが、

これは多分、犬を「家畜」として「飼う」ことを前提に言われているのか、
「お散歩」と「運動」の違いを理解できていないかのどちらかだと思います。

家畜ということであれば、お散歩は飼い主の都合で行きたい時に行こうが、
ケージに閉じ込めて、お留守番を長時間させようが理解できます。

しかし、「家族」として「共に暮らす」のであれば、豊かな生活環境を与え、
愛犬の心と体を健全に育むことが飼い主としての義務であり、責任ではないでしょうか?
その一番の義務と責任がお散歩だと私は思っています。

散歩は、愛犬の心と体を健全に育み、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間なのです。


ヴィッセが考える犬のしつけとは、毎日のお散歩が土台としてあって成り立つと考えています。
 
【犬の行動欲求~狩猟動物としての本能を満たす~】
 匂いを嗅ぐ、走る、追いかける、引っ張りっこ、破壊するetc. ⇒とくに、走らせて疲れさせることが重要。
 
※「疲れている犬は、良い犬だ」 ☜ イギリスの諺


ストレスについて~ヴィッセのテキストから~

ストレスとストレッサー                      

多くの方が「ストレスが多い」「ストレスになる」などという言い方をしていますが、

私たちが使う「ストレス」という言葉は、しばしば「ストレッサー」という言葉と混同して使われています。

●ストレス
なんらかの刺激によって心身に生じるゆがみ

●ストレッサー
ゆがみの原因となる刺激

つまり、ストレスの元となる事象は、厳密には「ストレッサー」ということになり、

それによって生じる心身の不調が「ストレス」なのです。

この世の中にはたくさんのストレッサーがあり、それをすべて避ける手段はありません。

本来、人(犬)の体には、ストレッサーに対する防御機能があり、

心身が参ってしまわないように働きかけを行ってはいますが、以下のように、それが敵わない場合、
 

  • ストレッサーが強すぎる場合
  • ストレスが長く続く場合
  • 体調不良など、ストレッサーに対する防御力が落ちている場合

などは、心身にさまざまな不調が現れることになります。

人のストレスの元と言えば、一番多いのが職場での人間関係でしょう。犬の場合はと言うと、
他人との接触が人ほど多くないので、飼い主との関係性や家族間の関係性がストレスになります。

(主従関係を強要する、夫婦仲が悪い、小さな子供が乱暴に犬を扱うなど。)

また、生活環境が人間に比べてはるかに狭いので、人ほどのストレスは起こりにくいです。

そのストレスの原因となるストレッサーには、以下のように、実にさまざまなものがあります。
※人は5つのストレッサーがあるが、犬は赤字の3つ。

・物理的ストレッサー
 天候、温度、気圧の変化など、「自然」によるもの

・社会的ストレッサー
 仕事、家庭、経済状況の変化、人間関係など、社会環境によるもの

・環境的ストレッサー
 騒音、振動、空気の汚れなど、外部環境によるもの

・身体的ストレッサー
 病気、怪我、疲労、不眠など、体の変化によるもの

・精神的ストレッサー
 怒り、悲しみ、葛藤、緊張、不安、悩み、寂しさなど、気持ちの変化によるもの

また、物理的・環境的・社会的ストレッサーは「外的ストレッサー
身体的・精神的ストレッサーは「内的ストレッサー」と、区分けすることもできます。

人とのつながりや仕事などによるストレッサーだけではなく、暑さや寒さ、気圧の変化など、

些細な不快感や違和感、時には自覚がない外的刺激さえもストレッサーになることがあるのです。
 
犬の場合はというと、過去も未来もなくその一瞬一瞬を生きているので、たとえ嫌なことがあったとしても、

人のように引きずることはありませんし、適切な生活環境で暮らしていれば、ストレスが溜まることはありません。
 
ただ、長時間の留守番や、散歩不足の犬の場合は、ストレスアウトができず過度のストレスがかかると、

無駄吠えや飼い主を咬むなどの問題行動に発展していく場合があります。
 
また、お散歩レッスンでは、公園まで一切道草をさせないので、初めてレッスンを受けられた方から

「犬は匂いを嗅がせて歩かせないと、ストレスが溜まりませんか?」と聞かれたことがありますが、

これがストレスの使い方が間違っている例です。
 
飼い主の方には、公園に着いてから好きなだけ匂いを嗅がせれば、ストレスが溜まることはありませんし、

これを「メリハリ」と言います。と答えています。


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